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コレクション

その13 王貞治756号本塁打モニュメント

先週に引き続き、巨人・王貞治の756号本塁打に関するものを紹介しよう。〝ワールド・レコード″を記念したモニュメントである。タテ56cm、ヨコ52cm、高さ74cm。300kgとずっしり重いこの記念碑は、中国産の大理石からできており、中央には王が記録の一打を放ったときのフォームをかたどった銅製のレリーフがはめ込まれている。日本舞台テレビ美術家協会常務理事・松下朗氏がデザインし、自由美術協会会員の佐野文男氏がレリーフを制作。後楽園球場ライトスタンドの756号着弾地点の席4つ分を取り外して据えられた。座席を取っ払ってまで大きな記念碑を置く、それだけこの記録が偉大だったということだ。

モニュメントの除幕式は、翌年の1978年4月1日、シーズン開幕戦の前に行われた。覆いかけられた白い布を王が取り除くと、超満員のスタンドからは万雷の拍手がわき起こった。「あのときの感激を思い出しますね。800号に向かって頑張ります」と王はコメント。この開幕戦で王は自らの打棒でお祝いをする。3回、阪神の江本からライトスタンドへ767号となる満塁弾。なんと、2年連続となる開幕戦満塁弾である。祝砲の上げ方も並じゃない。そして、8月30日、後楽園での大洋戦でついに800号の大台へと到達するのだ。

この年39本、翌年33本。ハンク・アーロンの記録を抜いて以降、40歳を過ぎてもなお〝一人旅″を続けた王は、80年10月12日ヤクルト戦(後楽園)で、これもやはりライトスタンドにたたき込む868号を最後に、ユニフォームを脱ぐことになる。この本塁打はシーズン30号。打率はリーグ最下位の.236に終わったが、19年連続30本塁打を達成し、〝ホームラン王〝らしい花道を飾ったのだった。

(文責=編集部)

掲載号/週刊ベースボール 2005年9月26日発行 第42号
取材協力/財団法人野球体育博物館

※記事は掲載時のまま掲載しています。記録等は掲載当時の情報に基づいています。また、会期の終了した企画展や、現在は館内で展示していない資料を紹介している場合があります。ご了承下さい。

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