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コレクション

プロ野球ポスター(1リーグ時代)

野球殿堂博物館では、日本プロ野球の誕生から現在までのポスターを収集し保管しています。
なかでも1リーグ時代(1936~1949年)のポスターは、絵柄が美しい物が多く、当館の貴重なコレクションとなっています。
本来ポスターは試合開催の日時、場所、対戦カードなどを告知し宣伝するためのもので、その試合が終了すれば不要となり処分されてしまうものです。
しかし、スポーツ資料収集家の田尾栄一氏や戦前から日本野球連盟理事などをつとめられた野口 務氏が保存され、当館にご寄贈されたため、幸運にも現在まで残されています。

当館では、1999年3月にこれら1リーグ時代のポスターすべてをカラー写真で掲載した図録を作成しました。おかげさまでご好評をいただき完売しましたが、その後もお問い合わせが多いこともあり、このたびデジタル図録として公開することになりました。ポスターが告知している試合結果などの情報もあわせて、ポスターから見た、日本職業野球連盟創立から戦争中の苦難、戦後の復活と人気の高騰という激動の1リーグ時代をご紹介します。

1936~1939 職業野球連盟の創立

1934年12月に大日本東京野球倶楽部(現在の読売ジャイアンツ)が結成され、1935年12月には大阪タイガース、1936年には名古屋、東京セネタース、阪急、大東京、名古屋金鯱が誕生し、7チームによって日本職業野球連盟が創立された。

1936年は4月から7月まで(1)第1回日本職業野球リーグ戦(甲子園球場)、(2)鳴海大会(鳴海球場)、(3)宝塚大会(宝塚球場)、(4)連盟結成記念全日本野球選手権試合(戸塚、甲子園、山本各球場)が行われたが(1)~(3)は全チームがそろわず、(4)は3大会を総合した優勝チームを決めない記念大会的なもので、秋(9月~12月)の第2回全日本野球選手権試合(甲子園、鳴海、宝塚、上井草、洲崎各球場)が、初のペナントレースとされている。1937年、1938年は春と秋の2シーズン制、1939年から1シーズン制となった。

1936(昭和11)年

2月5日 日本職業野球連盟創立
10月14日 洲崎球場完成

1937(昭和12)年

2月5日 イーグルスが加盟し8チームとなる
5月1日 西宮球場完成
9月11日 後楽園球場完成
1940~1944 戦争の影響

プロ野球も次第に戦争の影響を受けるようになり、1940年秋からは、英語使用の禁止などの改革が始まり、イーグルスは黒鷲、タイガースは阪神、セネタースは翼と改称した。1943年からは野球用語も日本語となり、ストライクは「よし一本」セーフは「よし」アウトは「ひけ」などと言うようになった。1944年になると日本野球連盟は日本野球報国会と改称し試合を続けたが、11月ついに一時休止となった。

1940(昭和15)年

7月26日 全チームで満州遠征を行い、夏季公式戦を行う(~8月31日)
9月12日 戦時新体制運動に協力し、英語使用の禁止などの改革が始まる
10月15日 監督を「教士」、選手を「選士」とする

1941(昭和16)年

6月14日 堀尾文人(阪神)ら4名のアメリカ国籍の二世選手が帰国

1942(昭和17)年

3月1日 試合開始前に、手りゅう弾投げ競技が行われるようになる

1943(昭和18)年

3月2日 野球用語の日本語化を決める
3月14日 ユニホームの色は、原則としてカーキ色、帽子は戦闘帽となる

1944(昭和19)年

1月3日 日本野球連盟は日本野球報国会と改称
11月13日 日本野球報国会は一時休止を表明
1945~1949 プロ野球の復興

戦後のプロ野球の復興は早く、1945年11月に神宮球場で東西対抗戦が行われ、復活第一戦は13対9で東軍が勝利した。1946年からはペナントレースが再開された。野球の人気が高まるにつれて連盟に加盟を希望するチームも多くなり、プロ野球がさらに繁栄するためにも、アメリカのような2リーグ制が望まれた。1949年11月に、翌年からの2リーグ制実施が決まり、セントラル・リーグと太平洋野球連盟(現在のパシフィック・リーグ)が結成された。

1945(昭和20)年

11月23日 戦後最初のプロ野球試合として神宮球場で東西対抗戦が行われ、つづいて桐生新川球場と西宮球場でも開催される

1946(昭和21)年

4月27日 ペナントレース再開
6月29日 「野球くじ」発売される

1947(昭和22)年

3月19日 日本野球連盟とは別に国民野球連盟が発足し、4チームが夏と秋にリーグ戦を行うが、この年限りで終わる

1949(昭和24)年

10月12日 戦後初のアメリカプロ野球チームのサンフランシスコ・シールズ(3A)が来日
11月26日 翌年からの2リーグ制実施が決まる
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